2016
09.10

所有の印10〜誘拐〜

Category: 所有の印
こんにちは
続きをお届けします。
太子・紅焔、早技です。
もしよければ…
【本物夫婦設定】
【原作設定沿い】
【オリキャラ注意】

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宴が始まった。
指示通り、陛下のお側に行こうとすると、
陛下は大使の皆さん達と話をしていた。


陛下…お忙しそう。
今は行くべきではないわね。

そう思って場所を離れたとき、
後ろから声をかけてくる人がいた。


「お妃様」

振り向くと太子様が立っていた。
煌びやかな笑顔を向けて近寄ってくる。


「またお会い出来て光栄です。
お加減はもう大丈夫なのですか?
あの後から臥せっていると伺ったのですが。」


心配そうな目だ。
臥せっていたのは事実だが、
それは病気のせいではない。
陛下に散々貪られて、
起き上がれなかったのだ。
心苦しくて、笑顔で誤魔化した。

「太子様。
お気遣いありがとうございます。
おかげ様で、もう大丈夫ですわ。」

「それはよかった。安心致しました。」

太子様が柔らかく微笑む。
こういう所は少し陛下に似ているのね。
表情を緩めた。

ふと視線を感じて顔を上げると、
太子様が私の顔をじっと見つめていた。

あれ?
私の顔に何かついているのかしら?

でも、この人も無駄に色気があるわね。
陛下が甘い言葉をかけるときと同じ表情をする。
もっとも。陛下の色気とは比べものにならないけど。

それにしても、太子様。
何でこんなに私の顔を見てるんだろう?

「あの?何か?」

声をかけると、はっとした顔をして目を伏せた。
が、すぐに人懐こく微笑んだ。

「…可愛らしいなと思って。」
「はい?」

いきなり何を言い出すんだこの人は。
顔が赤くなる。
その様子を見て太子様が近寄ってきた。

「そんな表情も、一層可愛らしい。
初めてお会いした時、息が止まるかと思いました。笑顔が素敵でね。」

そう言ってまた、私の顔をじっと見つめた。
は、恥ずかしい。
今度は…何?

「ああ、でも。まだ顔色がよろしくない。
ここは人が多い。
向こうで風に当たった方が良いのでは?」

そんなに顔色が悪いんだろうか?
午前中は起き上がれなかったけれど、
今はそれ程でもない。
躊躇していると、強引に手を握られた。

「え?」
「お妃様、行きましょう…」
「え?あの?」

流れるような所作で手を引かれた。
動きは優雅だったが凄い力だ。


え、何?どういうこと?
訳が分からないまま手を引かれ
あっと言う間に外に連れ出された。


* * *

あっという間の出来事だった。
あまりに自然な動きだったため
誰も気に留めていなかった。

だが、一人だけ
太子・紅焔の不穏な動きに気付いた者がいた。


皇女・麗蘭だった。

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ありがとうございました。
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