2016
09.18

呼び名

Category: ネタバレ妄想
こんばんは
85話からのネタバレ妄想です。

これは、某SNSで2日ほど公開したお話です。

今月の本誌は萌えが素晴らしく、
各所で皆様が叫んでいます。

それだけに、下手に原作と妄想を混ぜた話は
萌えを壊してしまうのでは?と不安になりまして、
あちらでは取り下げました。

ですが、この話を気に入ってくださった方が
いらっしゃったことから、ブログに移動しました。

本誌ネタバレ系です。
私の妄想が多分に含まれています。
原作イメージを非常に非常に
大切にされる方もご遠慮ください。

もしご興味があれば...。


【本物夫婦設定】
【本誌より少し先の設定】
【ネタバレ注意】

呼び名
----------

「ただいま、夕鈴」
「おかえりなさいませ....黎翔様」

夕鈴が笑顔で出迎える。

ぎゅううと抱きしめ
ちゅ
口付けた。

ただいまの挨拶だ。
夕鈴が後宮に戻ってから
繰り返される日常。

だけど...
一つ変わったことがある。
くすりと笑った。


「....?黎翔様?」
「いや。名前で呼ぶのが普通になったなと思って」
「~~~っっ」


そう。
君が名前で呼んでくれるようになったことだ。


僕のお嫁さんは奥ゆかしくて照れ屋だ。
名前を呼んでくれるまで
後宮を巻き込んでの大騒ぎだった。



* * *

ある休日の朝。
夕鈴の膝の上でごろごろと寛いでいた。

久しぶりの夫婦の時間。
夕鈴の指が僕の髪を梳き、
たわいもない話を始める。


「そう言えば。蘭瑶様が仰ってましたよ。」
「え?」
「晏流公、陛下にお会いした後は生き生きと
してらっしゃるって」
「へえ...」


夕鈴は大の弟好きだ。弟道なるものがあるらしく
日々「弟とは...」と熱く語りかけてくる。
今は兄弟仲良し推進中月間のようだ。
僕が相槌を打つと、嬉しそうに話を続けた。

「蓉州でお会いした時は
物静かな印象でしたけれど
こちらにきてお元気になられたんじゃ
ないでしょうか。瑛風様」


--------今。
聞き捨てならない言葉を聞いたような気がする。

.....瑛風様?
今、名前で呼んだのか?
思わず起き上がった。


「『瑛風様?』」

思った以上に低い声が出た。


「...すみません。晏流公をお名前で呼んでしまいました。
蓉州のお屋敷に潜入していたときに機会がありまして。。。」


どす黒い感情が心の中で渦を巻く。
心が冷える。それに伴い、周りの空気も冷えていく。

許せないな。
夕鈴。君は僕の妻じゃないの?
今、『瑛風様』と自然に出たよね。
という事は、どれだけ長くその名で呼んでたの。
何で弟は名前で呼んで...僕は『陛下』な訳。

「。。。名前、かあ。そう言えばあったね...そういうの」

夕鈴が蒼褪め、震えだす。
おかしいね。夕鈴。君は僕のお嫁さんだよね。
何でそんなに怯えるのかな?
ああ、そうか。
僕は今、狼の目をしているんだね。


「では...夕鈴」


一歩近づくと
夕鈴が一歩下がる。


「どうか、呼んではくれないか。」


手を伸ばして頬に触れ
愛しい妻に向かって笑いかけた。
-----兎を喰らう狼の瞳で。


「私の名を」
「....っ!」


夕鈴が後退った。
逃がさない。
壁際に追い詰め、腰を捕らえ、抱き寄せた。


「へ、陛下?あの?何ですか?突然」

ちゅ
口付けると
夕鈴が真っ赤になった。

「へっ...陛下?」

ちゅ
「夕鈴。名前、呼べてないよ?」

夕鈴の体が強張った。わたわたし始める。

「あ、あのですね。晏流公のお名前のことは...」
「...いいよ。それは。...だから」


ちゅ
「----っ!」
「君は...僕の名前を呼んでみて?」

にこっと微笑みかけると
夕鈴の目がグルグル回りだした。


「~~~~陛下?一体なんですか?」


ちゅ
「ほら。また『陛下』って呼ぶ。」

お仕置きだ。
夕鈴の顔からぼふんと湯気が出る。
....その姿が可愛くて、とても愛しい。


「呼べるまでこれ続ける?」
僕はそのほうがうれしいけど。


「あ、で、でも...へいか」

ほら。また。『陛下』だ
真っ赤になって逃げようとする夕鈴を捕まえ


ちゅ
深く口付けた。



「へっ..陛下...待って」
「待つって...あと、どれくらい?」

ちゅ
もう一度口付ける。

「ね、夕鈴?名前...呼んで?」
「ま、待って...」

ちゅ
「やだ。待てない」
「~~~~っ(こ、この人はっ)」

すると
夕鈴はこれ以上ない位、顔を真っ赤にし
目に涙をためて、震えだした。


「~~~っ...そっ」


下を向き、拳を握りしめる。

-----あ。まずい。
雲行きが怪しい。


「そっそっ…そんなに言うなら、
言えるようになるまで
独りにしておいてっっ!」


ついに夕鈴が爆発した。
奥に入り部屋にこもってしまった。
慌てて追いかける。


「...ゆーりん?ごめん..ね?」
「知らないっっ。陛下のばかーっっ」
「-----っ!?」


すごい剣幕だ。
とてもじゃないけれど、部屋に入れない。
どうも...やりすぎてしまった、らしい。


ずーん
.....落ち込んだ。

浩大や老師が宥めても
部屋から出て来ない。


後宮に冬の嵐が吹き荒れた。




半日後。
呆れ顔の李順がやってきた。
無理もない。今日、李順は休暇だった。
1日何も起こすなと、何度も念を押されたのだ。
つまり、半日しか持たなかったことになる。


「....で?」
「...私は...お前を呼べとは言っていないぞ?」
「....状況はどのような?」


地を這うような李順の声。
こうなると逆らえない。
思わず、目を逸らした。


「...夕鈴が部屋に閉じこもって出てこない。
恐らく....私が悪い」

どう考えてもやり過ぎた。
事の経緯は...あまり言いたくない。
う。視線が痛い。

李順はしばらく無言だったが、ため息をつき

「...では。お妃様のご様子を見て参ります」

拱手してその場を離れた。




数刻後。
気まずそうな顔して、夕鈴がやってきた。
怒ってはいないようだ。


「...ごめんね。ゆうりん。ついからかいすぎちゃって」


「私も...つい意地をはっちゃって」
------だって本当に腹立たしかったから.......


聞き捨てならない台詞が聞こえたが
お互いに謝った。


「...ごめんなさい。れれれ...ぃしょ..様」
「ゆーりん?今なんて?」


聞き間違い?それとも?
夕鈴の顔を見ると真っ赤だった。


「....れ、黎翔...様」
「-----っ」


ぎゅううう
思わず抱きしめた。


.....どうしよう。嬉しい。
まずい。手が震える。


「もう...一回」
声が掠れた。


「黎翔様」

夕鈴は、はっきりと僕の名前を呼んだ。
堪らない。
想いが溢れて止まらない。


ぎゅううう。
もう一度抱きしめた。




隣室にいた李順に声をかける。
さすがに休日返上は忍びない。

「李順...後日、代わりの休みを...」
「...いえ。お気になさらず」

李順は少しだけ遠い目をし、
「貴方のお役に立てることが、私にとっての喜びですよ」
と笑った。
一瞬、昔の李順に戻る。


----昔の李順?
。。。。。。これは。言われる。
絶対、一生ねちねちと言われる。


「う。...これ、何年も言われるやつだ」
「----ひっ」


夕鈴が慄き
李順の眼鏡が光る。


「当たり前ですっ。少しは反省してくださいっ!!」


その後。
二人で小一時間ほど、説教された。


* * *


抱き上げて、長椅子の上に移動する。

ちゅ
唇を重ね、額を重ねた。


「未だに李順さんに言われます。あの日のこと」
「はは。一生言われるな」
「ううう...。お義母様には頭があがりません」
「お義母様?」
「李順さんです」
「...あいつは僕の母親?」
「そうです」
「...確かに細かくて口うるさい」
「...黎翔様っ。怒られますよっ」


くすっ
二人で笑いあった。

ちゅ
どちらともなく唇が重なる。


 夕鈴...ゆうりん....
 黎翔様...


名前を呼ぶと
君が応える。

もう誰も呼ばなくなった僕の名を
君だけが呼ぶ。
二人だけの約束事。
愛しさが溢れて止まらなくなる。


腕の中に閉じ込め
ぎゅううと抱きしめた。


そして…
夫婦の時間が始まる。


おしまい
--------

名前呼びネタが好きです。
今月号は思わず書かずにはいられませんでした。
それほどの本家の破壊力。
半端ないですね。もー原作大好きです。

お付き合いいただき、ありがとうございました。
関連記事
スポンサーサイト
コメント
今月は休載なのを読む直前迄は覚えていたのに…読み進めて行くうちに最後迄読んでも無いのに焦って狼陛下だけ丸ごと落丁かとかなり焦りました(^ー^;A

先月号の破壊力を改めて思い知らされました(笑)
やっぱり名前呼びも、嫉妬も王道は何度読んでも堪らない(//∇//)
りこdot 2016.09.25 11:16 | 編集
りこ様
コメントありがとうございます。
あ、私、まだ本誌買ってないかも。σ(^_^;)

はい。先月号の破壊力は凄まじいですよね。
嫉妬と名前呼び。私も全く同じ気持ちです。♪( ´▽`)
夕鈴は結局名前を呼べるようになったのでしょうか。
気になる所です。
けいdot 2016.09.25 20:32 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top