2016
02.29

運命の人~夕鈴ターン~

Category: 運命の人
おはようございます。
けいです。

昨日はたくさんの方々がブログに訪れてくださいまして
嬉しい驚きでした。皆様、本当にありがとうございます。

あさ様
ブログの中で紹介していただきまして、
ありがとうございました。


しばらくSNSからのお話が続きます。
お付き合いいただけると嬉しいです。

昨年、黎夕ソングを歌うという趣旨の
カラオケオフ会に参加しました。
皆様がセレクトした歌も、ああ黎夕だと
納得する曲が多くとても楽しい時間でした。

カラオケで黎夕ソングを探す際に見つけた
「もしも運命の人がいるのなら」という曲。

ビタミン飲料のCMでかかっていた頃から
好きでしたが、改めて聞いてみると、
夕鈴が臨時花嫁として王宮にあがる前の
歌だなと思いまして、そこからイメージがわきました。

曲を知っている方にとってはどこが?と思うかもしれません。

そのため歌というよりは「運命の人」全般という
イメージでお読みいただければと思います。


少し長いですが
もし良ければお付き合いくださいませ。

では、どうぞ。



【王宮に上がる前日】
【本物夫婦】
【原作沿い?】

運命の人
-----------------

夢を見た。


 部屋の中で
 誰かを待っている。
 愛しい人の帰りを。


 足音が聞こえた。
 規則正しく
 ...だけど足早に向かってくる足音。
 あの人だ。思わず笑顔になり駆け寄る。


場面が変わった。


 今度は膝の上に乗せられ
 後ろから抱えられている。

 ...あの?
 ん...ゆうりん不足。...補充させて

 ぎゅーっと抱きしめられた。
 耳元で囁かれる甘い声。
 恥ずかしいけれど
 それ以上に幸せを感じてる自分がいる。

 なのに....
 肝心の相手の顔が分からない。
 大好きな人なのに。

 そうよ。
 恥ずかしがっている場合じゃない。
 思い切ってその人の顔を見ようと
 振り向いた。


-------そこで目が覚めた。

....夢。
まただ。
何度目だろう。
最近同じ夢ばかり見る。

出てくる男性はいつも同じ人だ。
漆黒の髪の背の高い人。甘い声。

もしかして運命の人?
....まさかね。柄にもないわ。

* * *

バイトの交代の時間が来たので帰ろうとすると
同僚が声をかけてきた。
明日から王宮の住み込みバイトが始まる。
だからここのバイトは今日が最後だ。

「夕鈴ちゃん」
「はい?」
「夕鈴ちゃん...
 今日でここの仕事終わりだよね。
 あ...あのもしよかったら...。
 この後、一緒に食事行かない?」


どうしたんだろう?
顔が真っ赤だ。
でも...この後、明玉の飯店でバイトだ。
飯店でのバイトも最後だし、これから混雑する。
早くいかないと。


「...ごめんなさい。
 実は...この後もバイトなの。」

「そうか。それは....残念だな。」


同僚はあからさまにガックリした。
いたたまれなくて、つい言ってしまった。


「あ、バイト先、明玉の飯店だから。
 もしよかったら食べに来て?」

「.....うん(がっくり)。」


あれえ?どうしたんだろう?
余計がっくりしちゃった。
ま、いいや。今は構ってられない。
きっと明玉も困ってる。


「気が向いたらよろしくね♪
 今までお世話になりました。
 お先に失礼しまぁす」


そう言って振り向きもせず
たったか明玉の飯店へと走り出した。


* * *

「え?夕鈴。
 それってデートのお誘いだったんじゃないの?」


混雑が落ち着いた頃
遅めの昼餉を取りながらその話をすると
明玉が詰め寄ってきた。


「え?そうだったの?
 バイトだから思いっきり断っちゃったわ。
 お昼時って混雑してるから、
 早くいかないと明玉困ってると思って。」


賄いを食べながら答えた。
うん、これ美味しい。
後で、おじさんに作り方教えてもらおう。


「はぁ~。も~。
 確かに助かったし、
 そこがあんたのいいところなんだけど、
 そのうち嫁き遅れるわよ」

「...もう十分嫁き遅れよ。
 いいじゃない。別に好きな人じゃないし。
 大体、父さんの借金と青慎の学費で
 それどころじゃないわよ。
 男の人と付き合っている暇があったら
 もう一つ仕事増やしたいくらいだわ」


鼻息荒く、拳を握りしめた。


「...あんた。どんだけ仕事好きなの?」


親友は呆れ顔だ。
頭を抱えている。

「え~だって、お金は大事でしょ?
 やっぱり最終的に頼れるものは自分よね。
 地道に働くのが一番だわ。」

「はあぁぁ~」

明玉はため息をつき遠い目をした。
だが、すぐに意味深な目で覗き込んできた。


「ま、でも。それなら几鍔さんは一安心よね」

「....。何でそこで几鍔が出てくるの?」

「え~?新しいバイトの話、聞いたわよ。
 今度は住み込みなんですって?
 几鍔さん、物凄く心配していたわ。
 ね、几鍔さんとはどうなの?」

「はあ?何であんな...外道と
 何もあるわけないでしょ。
 それに住み込みと言っても短期よ。」

「....悪かったな外道で」


聞き慣れた皮肉っぽい声が聞こえた。
振り向くと、やっぱり几鍔がいた。


「几鍔...なんであんたがここにいるの?」

思いっきり睨みつけると

「はあ?俺はここの常連だ。
 来ちゃ悪いか。」

「悪い。今日ぐらいは帰れ。」

「...お前、ほんっとに可愛くねーな。」

と憎まれ口を返す。
火花を散らして睨み合った。


「お、なんだ、なんだ?
 二人とも見つめあっちゃって。
 遂に恋に落ちたか?」

店主がからかう。

「「落ちてないっっ!!」」

振り返って同時に叫んだ。

「おお、声まで同時に。実に息もぴったりだな。
 婚礼の時は是非呼んでくれよ。」

「「違うっっ!!」」

ぜい...ぜい...。
だめだ。
何言っても几鍔と結婚することになってしまう。
誰がこんな奴と。人生の終わりだわ。

「ところで」

几鍔が同じ席に移ってきて隣に座る。
なんで隣?
少し距離を開ける。
明玉がにやにやしてる。生暖かい目だ。


「お前、新しいバイト大丈夫か?
 騙されているんじゃないのか?」

「う~ん。
 王宮での仕事としか聞かされていないのよね。
 多分、下働きじゃない?掃除のしがいがありそうだわ。」

「ふふふ。
 陛下の目に留まって御手付きになったりして」

横から明玉が話に入ってくる。

「陛下って、あの『冷酷非情の狼陛下』?
 まさかあ、一介の下女にそれはないでしょ。
 どれだけ女たらしなのよ。
 後宮には綺麗な人いっぱいいるだろうし。
 他のお妃様達に怒られちゃうわ」

思わず吹き出した。

「あら?
 陛下は即位したばかりで、
 まだお妃様はいないのよ。
 いいじゃない。目指せ玉の輿!」

明玉は目をキラキラさせて唆してくる。
いやいや。玉の輿すぎるでしょっ!。
非現実的すぎて想像すらできないわ。

「は!こいつに御手が付く訳がねーだろ。
 下町でも有名な凶暴な女に」

几鍔は鼻で笑った。
ああ?こいつ。喧嘩売ってるのか?

「そうかなあ。あ、そういえば、
 陛下って戦場の鬼神って言われてるのよね。
 鬼だったら凶暴な位が丁度いいんじゃない?」

「....(私、けなされてる?)
 なんでそんなに陛下に詳しいの?」

「お客さんからの情報よ。
 あんた知らなさすぎ。
 飲食店にとっては大事なの。」


几鍔も頷いた。

「商店も大事だな。
 法が変わったのを知らないまま
 仕事していると捕まったりするからな。
 冷酷非情だか狼だか知らないが
 今度の国王はやり手だな。
 代替わりしてから、
 格段に仕事がしやすくなった。」

「.....そうなんだ」

確かにその通りだった。
国王が代替わりしてから、
道路や流通が整備された。
警備も強化された。
以前に比べて格段に暮らしやすくなり
街にも活気が出てきた。
おかげでバイトの掛け持ちができるほどだ。


「ま、御手付きはともかく、
 備品とか壊さないように気を付けろよ。」

「なっっ!そんなことしないわよ。失礼ね」

「ぷぷっ。有り得る。
 衝立とか?花瓶とか?」

「だろ?」

「もうっっ。何なの二人してっっ!!」


二人ともうんうん頷いている。
酷い言われようだ。

もうっ。そこまで粗忽じゃないわよ。
そんなことしたら、ずっと王宮で
働かなくちゃいけないじゃないの。

短期ならまだしも、
ずっと青慎に会えなくなるなんて
考えただけで恐ろしいことだわ。


* * *


バイトが終わり帰ろうとすると
几鍔が声をかけてきた。
そのまま一緒に帰る。


「本当に大丈夫なのか?」

「しつこいわね。大丈夫よ。」

「ま、言っても仕方ないか。
 せいぜい、備品壊さないように気を付けろよ。
 ついでに、粗忽さも直して来い。」

「もうっ。
 だから何で備品壊す前提なのっ。」


怒って睨みつけると、じっと見つめられた。
....心配そうな目。ああ、そうか。
この幼馴染は口が悪いが心配性だ。


「心配しないで。大丈夫だから。
 バイトの間....青慎のこと、頼むわね」

「....。おう。任せとけ」

そう言って頭をくしゃっと掻き混ぜた。
いつの間にか、家の前だ。

「...ありがとう。」
「じゃあな」

几鍔はふっと笑い、手を振って帰って行った。


明日から王宮のバイトが始まる。
しばらく家には帰れない。

家を片づけて、
洗濯物取り込んで
夕餉の仕込みをして
繕い物して...
やらなきゃいけないことがいっぱいだ。


頭を切り替えさっさと家に入った。
準備を終え、早めに床に入る。


その夜、また夢を見た。


* * *


 後宮の一室で
 誰かを待っている。
 愛しい人の帰りを。

 足音が聞こえた。
 規則正しく
...だけど足早に向かってくる足音。
 あの人だ。思わず笑顔になり駆け寄る。


 「お帰りなさいませ。....様」
 「ただいま夕鈴」


 その人は私を抱き上げ、口付けした。
 顔は見えないけれど、多分笑顔だ。



----目を覚ました。

またあの夢だ。
そして男性はいつも同じ。
何なんだろう。一体。

それに私の格好....。
お妃様みたいだった。
....はは。昨日の話に相当影響されてるみたい。


* * *


夢のせいか、早く目が覚めてしまった。
胸がざわざわする。
何かに近づいている気がする。


寝ている気になれなかったので、
起き出して準備し、少し早目に
王宮に向かった。
王宮に着くと、やたらと綺麗な服に
着替えさせられた。

不思議に思いながらも
バイト先の上司に当たる李順という人に挨拶する。
何事も最初の挨拶が肝心だ。

「本日よりお世話になります、
 汀夕鈴と申します。
 どうぞよろしくお願いします。」

「いい挨拶ですね。私は李順と申します。
 これからお仕事内容を説明しますので、
 私の後についてきてください。」

「はい。」


どこに向かっているんだろう。
仕事って王宮の下働きよね?
こんな綺麗な衣装って必要なのかしら。
不思議に思いながらついていくと
国王陛下の御前に案内され
仕事内容を説明された。

どういうこと?
仕事の内容が理解できない。
恐る恐る尋ねた。大事なことだ。

「あの~私。
 短期の王宮の仕事って
 聞いてきたんですけれど」

すると、バイト先の上司から
信じられない言葉が出てきた。

「ええ、ですから、この一か月間
 後宮でお務め頂きたいのですよ。
 国王陛下の臨時花嫁として」


はい?臨時花嫁?
何を言っているのこの人。
国王陛下って...
昨日話に出た、あの『陛下』よね?

眼光鋭く、冷酷非情で、戦場の鬼神と呼ばれ....
あとなんだっけ。ああ、やり手の狼陛下だ。

玉座から流れてくる空気が怖い。
物凄い威圧感だ。自然と体が震える。
臨時といえど、この人の花嫁?ありえない。
だれか嘘だといって~~~~っ。


恐る恐る顔を上げると、目が合った。
陛下がにっこり笑う。獲物を狩るような目で。

「なんだ?手を出してはいかんのか?
 愛らしい兎が来たものを」

「------っ|||||」

ひ~~っ。肉食な感じ。
手を出すって、いわゆる御手付きってやつ?
うわ、まさに昨日の話、そのままじゃないの。
それに何よ兎って。狼が?兎を?
食べる気満々じゃないの。


給料は破格だけど...
いやいやいや。無理っ。
お嫁に行けなくなったらどうするの~~。



・・・運命の人との出会いは
あまりにも衝撃的だった。


* * *

そして現在。


後宮の一室で待っている。
陛下のお帰りを。

足音が聞こえた。
規則正しく...だけど足早に向かってくる足音。
陛下だ。思わず笑顔になり駆け寄る。


 「お帰りなさいませ。黎翔様」
 「ただいま夕鈴」


陛下は私を抱き上げて、口付けした。
蕩けるような顔で笑う。

抱きかかえたまま長椅子に座り
膝の上に乗せて後ろから抱えられる。


 黎翔様...あの?
 ん...ゆうりん不足。...補充させて


ぎゅーっと抱きしめられた。
耳元で囁かれる甘い声。
振り向いて目を見つめると
顔が近寄ってきた。

ちゅ

唇が重なり
甘く蕩けるような口付けが始まる。

* * *


あのとき見た夢と同じだ。
だけど、これは夢じゃない。
幸せな日常。


夢に出てきた漆黒の髪の長身の人は
たった一人の運命の人だった。

黎翔様。
誰よりも大好きな人。




おしまい。
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お付き合いいただき、ありがとうございました。
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