2016
02.29

運命の人~黎翔ターン~

Category: 運命の人
おはようございます。

こちらは陛下ターンになります。
ご興味がある方は、こちらもどうぞ。






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【王宮に上がる前日】
【本物夫婦】

運命の人~陛下ターン~


王都を離れ、辺境生活を気ままに楽しんでいた僕の元に
玉座が転がり込んできた。

中央政府が腐敗しているのは父の代からだった。
賢王と誉れの高い父だったが、僕と母が後宮を去った後は
酒と女に溺れ愚王と呼ばれるようになった。
その間に中央政府は腐敗し内政は荒れ果てた。

政府が腐敗しているのは今に始まったことじゃない。
それに辛うじて未だ機能していた。
国を落ち着かせるため、
先に内乱を制圧することから始めた。

沢山の人を殺した。かなり無謀なこともした。
付いた通り名が「戦場の鬼神」。

内乱が落ち着いた頃、
次は中央政治を粛清した。
賄賂、癒着、横領....不正を上げていくと
きりがなかった。
かかわった者たちは切り捨て、
合理的に改革を進めた。
付いた通り名は「冷酷非情の狼陛下」。


少し落ち着いてきたと思ったら
今度は降るように縁談話が湧いてくる。
昨日はあの大臣の娘、今日はこの大臣の姪。

内政は未だ不安定なのに
何を浮かれたことを。
とてもじゃないけれど妃など
娶る気にはなれない。
だが、気が付けば業務に
支障がでるほどの縁談の嵐。

「毎回毎回、飽きもせず。
 よくもこんなに縁談が湧いてくるものだ。
 奴らは暇なのか?」

「ええ、きっと暇なのでしょう。」


李順も容赦ない。
余程据えかねているのだろう。


「そうですね...。
 ではこんなのはいかがでしょう?
 縁談除けのために臨時に花嫁を雇うのは。」

「臨時?いらんぞ。女は面倒くさい。
 それに後宮にはろくな思い出がないからな。」

「まあ、そう仰らずに。
 臨時ですし。いつでも手は切れますよ。
 適当に候補を見繕っておきますから」

それも一理あるか。
毎回縁談を断るのも何かと角が立つ。
李順に言われるまま臨時花嫁を雇うことになった。

僕としてはいつまでも玉座に居座る気はない。
それならば、正式な妃より臨時ぐらいの方が丁度いい。
気に入らなければ、切り捨てるだけの話だ。
いつものように。


そんなある夜、夢を見た。

* * *

 山積みの仕事を捌いた後、
 執務室を後にする。
 李順はあきれ顔だ。
 何かぼやいている。

 足早に後宮の一室に向かった。
 この先に愛しい人がいる。
 早く....に会いたい。
 気持ちが急いて堪らない。

 後宮の奥にある一室に入ると
 薄茶色の長い髪の女性が駆け寄ってきた。
 顔が見えない。だけどきっと笑顔だ。


 「お帰りなさいませ。黎翔様」
 「ただいま....」


 鈴のような声。
 僕は彼女を抱きかかえて口付けし、
 幸せそうに笑っていた。


* * *

-----そこで目を覚ました。


不思議な夢だった。
あれは件の臨時花嫁か。
それともこれから出会う誰かなのか。

いずれにしても自分には縁のない話だ。
妃を娶る気はない。現在も。これから先も。


そういえば今日か。
臨時花嫁が入宮するのは。
正直煩わしいけれど、仕方がない。
これも仕事だ。


「陛下...そろそろお時間です」


李順が呼びに来た。

....来たか。


僕は立ち上がり、
臨時花嫁とやらが待っている部屋に向かった。



そこで...僕は彼女と出会う。

* * *

そして現在

山積みの仕事を捌いた後、
執務室を後にする。
李順はあきれ顔だ。
何かぼやいている。


足早に後宮の廊下を
一心不乱に歩く。


この先に愛しい人が待っている。
自然と歩みが早くなる
早く夕鈴に会いたい。
気持ちが急いて堪らない。


彼女の部屋に入ると
夕鈴が溢れんばかりの笑顔で駆け寄ってきた。


 「お帰りなさいませ。黎翔様」
 「ただいま、夕鈴」


鈴のような声。明るい笑顔。
仕事の疲れが一気に吹き飛ぶ。

僕は彼女を抱きかかえて口付けし、
笑顔を向けた。二人とも笑顔だ。

抱きかかえたまま長椅子に座り
膝の上に乗せて後ろから抱きしめる。


 黎翔様...あの?
 ん...ゆうりん不足。...補充させて


夕鈴は温かくて柔らかい。
それにいい匂い。
すごく安心する。

夕鈴がゆっくり振り向いた。
潤んだ目で僕を見つめる。


ああ、もう。
こんな目で見つめられたら堪らない。
君が可愛すぎるのが悪い。


引き寄せられるように顔を近づけ


ちゅ


唇を重ね
その甘くふっくらした唇を思う存分堪能した。


* * *

幸せな日常。
いつか見た夢と同じだ。

だけど夢じゃない。
これは紛れもない現実。


そう。僕はあの時出会った。
運命の人に。


----夕鈴。
君は僕のたった一人の花嫁。
もう....離さない。




おしまい
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お付き合いいただき
ありがとうございました。
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コメント
けいさん、おはようございます\(^o^)/

一昨日から足跡付けまくりやっちゃっってます‼︎
けいさんのお話を読みよみタイム‼︎

わたし自身にはお邪魔するのはブログ形態の方が合ってるんです(≧∇≦)
どんどん転載もお待ちしています!

タイフーンです(≧∇≦)dot 2016.02.29 06:57 | 編集
タイフーン様

コメントありがとうございます。(≧▽≦)
また、足跡ペタペタ、とても嬉しいです。
もっと踏んで~(←?)

続々、転載していきますのでお楽しみに~(*´▽`*)
けいdot 2016.02.29 07:13 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
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