2016
03.01

道具

こんばんは

SNSからの転載です。

子どもたちが部活の用具を
放置していたので怒った際に
思い付いたSSです。

「ばかもの!自分の道具は大事にしろ~~!!」

道具...そこでふと考えました。
浩大は自分を道具だと言います。
陛下は道具をどう扱っているんでしょう。

もしよければ、どうぞ。



【本物夫婦設定】
道具
---------------------

「浩大って陛下のこと好きなのよね?」
「何?それ、気持ち悪いね。俺は道具だよ。
長く使ってもらえればそれでいいよ」

道具....よく分からない関係だわ。
陛下は浩大のこと信頼しているようだし...。

そんなある日、陛下が愛用の刀を手入れしているところを見た。


「陛下?刀のお手入れですか?」
「うん...。刃こぼれした場合は鍛冶師に頼むんだけどね。
それ以外は自分できちんと手入れしておかないと、いざというとき使えないから。」


そう言って大事そうに手入れを始めた。
見ていると手際が良い。それに扱いが丁寧だ。
思わず見惚れていると

「ごめんね。つまんないよね。早く終わらせるからね。」

小犬の顔ですまなそうに言った。

「いえ。つい...見惚れてました。あの、このまま見ていていいですか?」
「?いいよ」

陛下はふわっと優しく笑った。
こういう所を見せてもらえるのが嬉しい。
夫婦になったんだと実感する。
作業の間、ニコニコしながら見ていた。

* * *

翌日
厨房を借りて陛下に差し入れをつくろうとしたとき
錆びた包丁を見つけた。


何?これ?
こんな錆びた包丁じゃ、いい仕事できないじゃない。
プロだったら自分の道具は大事にしないと。


道具を大事に...
はっとした。
陛下はご自分の道具は丁寧に扱っていた。
そしてとても大事にしている。


浩大は自分のこと陛下の道具だといった。
長く使ってくれればいいと。
浩大は陛下が道具を大事にする人だと知っているのだろう。

大事にされるから、期待に応えるべくいい仕事をする。
ふふふ。何だかんだ言っても仲いいじゃない。
さ、今日は奮発して浩大の分も作ろううかしら。


* * *

お妃ちゃんは言う。


「浩大って陛下のことが好きなのよね?」
「何?それ、気持ち悪いね。」

好きも嫌いもない。
オレ達隠密は道具だ。
大事に使われるか、使い捨てされるかは主人次第だ。

そういう意味ではオレは陛下に拾われて良かったと思う。
あの人は「使える」道具は非常に大事にする人だから。

長く使ってもらえればそれでいい。
その信頼に応えるべく今日も仕事に励む。


最近の俺の仕事はお妃ちゃんの護衛だ。
あの子はいつも予想の斜め上の行動をするから、見ていて飽きない。
そしてたまにいいこともある。


「うわ。これ何?美味い」
「陛下の夜食にと思って作ったんだけど、
お忙しいみたい。
冷めちゃうと美味しくないので食べちゃってね。」


これこれ、最近これが楽しみだったりする。
それにしても、お妃ちゃん、どんだけ沢山作ったの。
多分、陛下一人じゃ食べきれない量だよ。
...あ、そっか。オレの分も含まれているのか。


ってことは、これ全部食べたら殺されるな。
あの人、お妃ちゃんに関しては大人げねーしな。
仕方ねえなあ。持っていくか。
お預け喰らって不機嫌オーラ満載の主の元へ。

「ごっそさん。残りもらってくね~」

そう言ってお妃ちゃん特製の夜食を陛下に届ける。

「陛下、陛下」
「なんだ」

後宮に戻れなくって不機嫌オーラ満載の陛下。
怖え~。官吏の皆さんに同情するよ。


「夜食。お妃ちゃんから。冷めないうちにってさ」


聞いた途端陛下が破顔した。
機嫌がいっぺんに良くなる。
やっぱお妃ちゃんてすげーな。

何も持たない筈なのに陛下を捕らえたお妃ちゃん。
今はこの二人を観察していることが何より面白い。


あ...陛下が仕事再開した。
すげっ。倍速でこなしてる。
側近さんが頭を抱えてるよ。


...陛下が部屋から出てきた。
仕事終わらせたらしい...。
お妃ちゃんの元に早足で向かう。


「陛下?お帰りなさいませ。どうされました?今日は戻られないと聞いていましたのに...」

「仕事は終わらせたよ。夕鈴、夜食ありがとう。おかげで捗ったよ。」
「え?夜食?あ...浩大ですね。」

「うん。すっごく美味しかった。だから今度は夕鈴が食べたいな♪」
「なっ!!!......私は食べ物では....んんっ」


静かになった。どうやら...始まったらしい....。
屋根の上に移動すると声が聞こえてきた。

...あ...へいか...へいかぁ
...ゆうりん...可愛い...


さあ、お仕事開始だな。

向こうの屋根から黒い影。
気配を消して近づき、

シュパパパッ
どさっ

一丁上がり。
取り押さえて牢屋に入れておく。
その間の二人の護衛は部下に任す。

全く無粋だね。
馬に蹴られろっての。


屋根の上に戻り、部下と交代する。
やっと心が通じたお二人さん。
二人の幸せを護るのが今のオレの仕事。
こんなのも悪くない。

お妃ちゃんの切羽詰まった声が聞こえる。
ははは...陛下、あんたどんだけ飢えてるんだよ。

陛下。さすがに毎晩はやり過ぎだと思うけどね。


おしまい。
-------------------
ありがとうございました。
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コメント
このお話好きなんですよね。
本誌読んだ時に浩大の言った台詞に?だったのが、このお話を読んで納得したんですよね。
そう、好きとか嫌いじゃない。道具なんだからって。
なんだぁ、単なる好き嫌いじゃなく、もっと深い信頼で結ばれてるってことだぁと。
浩大も格好いいし。それにしてもけいさんはたくさんお話書いてますよね。
私は読み専が長かったから改めて読んでもすぐ終わるだけしかないですよ。
移動頑張って下さいね(^^)
まるねこdot 2016.03.01 08:04 | 編集
こんばんは~
コメントありがとうございます。

私も道具って?とずっと思ってました。

でも道具は大切に扱わないと、いざという時
裏切りますからね。そこで壊れるか?みたいな。
だから、きっと大事にしてるんじゃないかと。
いや、大事にしていてほしいという願望で書きました。

私も好きな話なので、喜んでくださって嬉しいです。
けいdot 2016.03.01 20:26 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2016.06.29 21:42 | 編集
お知らせしタイ様っ
!!!!∑(゚Д゚)
きゃー😱
教えてくださってありがとうございます💦
早速直しました。助かりました。m(_ _)m
けいdot 2016.06.29 21:57 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2016.06.29 21:58 | 編集
ありがタイ様
よかった、よかった。一安心(*^o^*)
お仕事、ホントお疲れ様です。しみじみ…
けいdot 2016.06.29 22:08 | 編集
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