2016
03.04

はじめの一歩①

Category: 本物の夫婦に
こんばんは~
けいです。

ついに14巻が発売しましたね。(*^▽^*)
おまけの4コマにやられました。
本屋でカバーがかかってなかったので
立ち読みしたら、によによが止まりませんでした。
いいですねえ。新婚!!!

たまには新しいものをと思いつつ
やっぱりSNSからの転載です。

SNSで1年、お話を書いていて、
気が付くと日記の数が100を超えていました。
そのすべてがお話ではないのですが、
随分たくさん書いたんだなと驚きです。

コミック発売を記念して14巻ネタを。
※ネタバレ不可の方はここでお戻りを。
では、どうぞ。






【本誌特別篇からの妄想】
【14巻ネタバレ注意】
【妄想注意】

始めの一歩

------------------

夢を見た。
夕鈴が下町に帰ってしまう夢。

「陛下...やっぱりごめんなさい。下町に帰ります」

え?夕鈴帰っちゃうの?
いやだ。
僕の側にずっといてくれるっていったじゃないか!

「行くなっ!」



目が覚めた。
....夢?


「陛下?私ならここに居ますが?」

李順が怪訝そうな目で見ている。

「......夢を見ていたようだ。」
どうやら一瞬眠っていたらしい。
よかった。夢か。

「どんな夢を見ていたのかは敢えて聞きませんがね。
 大方夕鈴殿の夢でしょう?浮かれる気持ちも分かりますが
 さっさと仕事終わらせてくださいね。」

「....なんだ?怒っているのか?」

「ええ、私は正直怒っています。
 私に何も言わず勝手な行動をして闇商人を捕まえに行き、
 手放したはずの夕鈴殿を持ち帰り監禁し、あまつさえ本物の妃にする...など」

「持ち帰り...」

「持ち帰りでしょう!」

「人聞き悪いな。まだ手を出していないんだが」

「これからいくらでも出すでしょう?」

「......お前の認識も相当ひどいな。」

「ともかく早く仕事を終わらせてください。
 そうしないといつまでも夕鈴殿に会えませんよ」

「それは困る。」


黎翔は全力で仕事を始めた。


「終わったぞ。後は任せた。」
「.....御意」


ったく。
...最初からこのペースでやれば早く終わるでしょうに。
先が思いやられますね。
李順はため息をついた。


* * *


「ただいま♪夕鈴」
「おかえりなさいませ
 陛下」

夕鈴が嬉しそうな笑顔で迎えてくれる。

「お疲れ様」
ぎゅっと抱きしめると

ぎ...ぎ..ぎ

.....あれ?
反応がおかしい。
壊れたからくり人形みたいだ。

いつもなら抱きしめ返してくれるのに。
「ゆーりん?」


カタカタカタカタ.....


?震えている?
本当に様子がおかしい。

「どうしたの?抱きしめるの嫌だった?」

心の中に暗雲が立ち込め、不安になる。

「ぜんぜん嫌じゃないです!」

ほ。少し安心。
でも、まだ表情が硬い。

「い...今更ですけれど
 わたし....陛下の後宮に入るんですよね?」
「うん...そのつもりだけど
 .....え?ゆうりん気が変わった!?」
「変わってません!」


よかった。即答だ。
じゃなんで?


「わ...わたし...偽物じゃなくって
 陛下の....本物の妃になるんですよね?」


夕鈴はこれ以上ないくらい赤くなった。
あ...そういうことか。

「うん」
つられて赤くなる


「.....どうしよう。下町に帰りたい」
「-------!」


え?何?なんで?
僕と夫婦になるのそんなに嫌なの?
さっき見た夢はこれだったのか。
魂が抜ける。


「へーかっ!落ち着いて!
 私へーかのお嫁さんになりたいですから!」


あ、魂が戻ってきた。


「ど...どういうこと?」


夕鈴は更に真っ赤になって
おずおずと本を差し出した。

~後宮秘伝~

 夜の作法はこれでバッチリ♡
 ** 後宮の本気見せてやるぜ!**
~~~~~~

「これを...老師が...」
「。。。。。。」
「夫婦に絶対必要な勉強だからって...」
「。。。。。。」

....老師。あいつ絶対殺す。

「ちょっと待っててね。
 あの老人何とかしてくるよ」
「!何とかってなんですか!?」


僕の殺気に気付いたのか
夕鈴は真っ青になって僕を止めた。
くそう。あともう少しだったのに。


夕鈴は真っ赤になりながら話し始めた。


 わかっているつもりだったんです。
 だけどあの本見たら
 思ってたのと違うっていうか
 びっくりぎょーてんがいっぱいっていうか...

 だから下町の友達に話を聞きたいと思っちゃって
 もしかして後宮の夫婦は特別っていうか
 嘘も交じってるんじゃないの?
 とか
 もう頭ン中ぐるぐるして


初心な夕鈴にはさぞかし刺激が強すぎる内容だったんだろう。
安心とともに、やっぱり老師に対して殺意が湧く。
夕鈴。わかった、わかったから...。

「夕鈴」

涙ぐんでいる夕鈴の肩をポンポンと叩く。
そして慎重になだめた。

 あのね...
 大丈夫
 だから
 心配しないで
 僕は今、君と一緒に同じ時を過ごせるだけで幸せなんだ

 君にはただ
 いつもみたいに笑っていてほしい

 確かにここは後宮だけど
 そんな風に
 気にしなくていいんだよ

 僕たちは
 ゆっくり
 僕達らしい夫婦になっていこう

必死さが通じたのだろう。
夕鈴は感激のあまり目に涙をうかべ
「はい!陛下.....!」と抱き付いてくれた。


ほっ...。危ないところだった。
心の底から安心する。


件の本を没収して老師に返した。
老師は次の手を考えているようだが。全く迷惑なことだ。
あの本のせいで五十歩ぐらいは下がっただろう。


部屋に戻ると、僕に全面の信頼を寄せた夕鈴がすり寄ってきた。
その肩を引き寄せる。

「夕鈴、大好きだよ」

そう言って見つめると、夕鈴は真っ赤な顔をして見つめ返してきた。
抱き寄せて唇を重ね、額と瞼にも軽く口付ける。
湯気が出そうになるほど真っ赤になった夕鈴が僕の肩にことんと頭をのせた。
僕はそれを抱きしめる。できるだけ優しく。
本当はもっと欲しいけど、今日はここまで。
これが第一歩。

ゆっくり始めよう。
僕たちらしい夫婦になるために。
だからあんな本は必要ない。


夕鈴。
僕はもう君を逃がす気はないからね。

一歩ずつ近づき、
そして必ず捕まえる。


まずはこの一歩から。



おしまい
-----------------

おつきあいいただきありがとうございました。m(_ _)m
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コメント
やっぱりけいさんのお話は素敵ですねー。
うんうんと共感して読み進められるし読みやすいしほっこりしますね(^^)

この特別編ほんと面白いですよね。無意味に陛下がキラキラしてるとこがツボなんです。
夕鈴にはああ見えてるんでしょうね。
そして、結局手を出したのか…あんな初心な夕鈴には絶対出せなそう…
いつかここから手を出すに至るお話書いてほしいです(#^.^#)
まるねこdot 2016.03.04 22:33 | 編集
まるねこ様の「無意味にキラキラ」に反応してしまいました。

コミック派なんで、SNSではけい様の話の方をはじめに読んでいたので、少女漫画のヒーローはかくあるべしみたく、優しくかっこいいんだろうなあ、と想像してたんです。

で、今日はじめて読んでみたら「陛下、めっちゃ胡散臭い」(ヒドイ)
私も、陛下のその後が気になります。
だって、夕鈴の「いやとかそーゆんじゃない」を誤解したままですからね(笑)

novellodot 2016.03.04 23:18 | 編集
まるねこ様
ありがとうございます。(*^▽^*)

ほのぼの温かな話を目指してるので
ほっこりしてくだって嬉しいです。

そうそう。
無意味に陛下がキラキラしてて胡散臭いんですよね。
絶対本心じゃないなって。
陛下は夕鈴に逃げられないように必死なんだと思います。
ふふふ。第二談ゆーりんりんバージョンをお楽しみに♪

(ちなみに、おまけ4こまのゆーりんりん。。。
このバカップル加減がツボでした)

けいdot 2016.03.04 23:41 | 編集
novello様

そうですよね。
私も当時「この陛下胡散臭いわ~」と思いながら書いてました←
夕鈴を逃がさないために無駄に爽やかさを演出してる感じですよね。

陛下のその後。。。絶対勘違いして兎キックくらってそうです。
巻末の二人から夜の生活を想像できないんですが
いったいどうやって50歩縮めたんでしょうねえ。(笑)
けいdot 2016.03.05 00:14 | 編集
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