2016
03.28

本物の夫婦に⑥(完)

Category: 本物の夫婦に
おはようございます。

続きをお届けします。
ようやく結ばれた二人の
まとめ的な感じです。

目線が陛下→夕鈴→李順と変わり
少し読みづらいかもしれませんが
よければお付き合い頂けるとうれしいです。


【71話からの妄想】
【本物夫婦設定】
* * *

夢を見た。
夕鈴が腕の中にいて幸せそうに笑っている。
陽の光の中を二人で歩いている。


目を覚ますと
腕の中に夕鈴がいて寝息を立てていた。

結局何度も求めてしまった。
普段の君とは違うもう一つの顔。
潤んだ瞳、柔らかな唇、上気した頬、
可愛く求める声...すべてが僕を煽った。

初めての君に無理はさせたくなかったけれど
愛しさが止まらなかった。
そして未だ欲している自分に苦笑する。


腕の中で眠る夕鈴の額に唇を寄せた。
瞼が少し動いたが、目覚める気配がない。
そのまま寝顔を見つめた。


手に入る筈もなかった愛しい女性。
君が似合うのは陽の当たる場所で
この悪意と欲に満ちた場所ではなかった筈だ。
だけど、君は自らの意志で此処に戻ってきて
僕の手をとってくれた。


----側にいたいと。
僕のいるところなら何処でもいいと。


抱き寄せて温もりを確かめる。
程よい重みと温かさ。
夢じゃないことに安堵する。

....もう手離せない。
愛しさが募り、額に唇を寄せた。


夕鈴の瞼が動く。


* * *

幸せな夢を見た。
陽だまりの中を陛下と一緒に歩く夢。

温かい。
おでこに何か柔らかいものが触れてる。
目を覚ますと目の前に陛下の逞しい胸。
え?な...何?何で?

一瞬、頭が混乱して叫びそうになったけれど
徐々に思い出した。
ああ、そうか。
昨日、陛下のお嫁さんになったんだっけ....。
数々の痴態を思い出して顔から火がでそうになる。
そういえばいつ眠ったんだろう。途中から記憶がない。


「おはよう、夕鈴」

顔を上げると陛下と目が合った。
朝から只ならぬ色気だ。
熱を帯びた瞳で見つめられる。

ぼふぼふぼふっ。
うわあああ...朝からこの色気は何?
熱でそう。
今、絶対頭から湯気出てる。


「...お....はようございます....陛下」

ちゅ
額から音がした。柔らかい感触。
陛下が唇を寄せている。
それで、さっきの感触は陛下の唇だったと気づいた。

ちゅ
今度は唇が重なった。
舌が入ってきて濃厚に絡めとられる。

「ん~~~~っ。」

.....甘い。朝から甘すぎる。
体からへなへなと力が抜けていく。


「これからずっと一緒だね」
「....はい」

陛下、嬉しそう。
つられて笑顔になる。

「毎日、朝餉を一緒に食べようね」
「はいっ」
「毎日一緒に眠ろうね」
「は...い...?」

...ん?眠る、のよね?

「湯殿も一緒だよ?」
「は?」

え?湯殿....を一緒に...って?
嫌な予感がする。


「いっぱい可愛がってあげるからねっっ♪お嫁さん」
「------っ|||||」


身の危険を感じ、逃げ出そうとした。
がしっ
陛下の腕に捕らえられた。


「だめだ。もう逃がさない」
「~~~~っ」

ばたばた手足を動かすも
しっかり抱きしめられていて
身動きできない。
陛下がのしかかってきた。
捕食者の目をしている。完全に狼だ。


「逃げ出そうとするとは...悪い兎だな」
「(狼っ|||)なっ...なっ...」
「お仕置きだ」


喰らいつくように口付けされた。


「...ぷはっ。へ、陛下...お仕事は?」
「ん?今日は休みだよ」
「え?」
「結・婚・休・暇♪」
「本当ですか~~?」
「今は急ぎの仕事はない」

じっと陛下を見た。
目を逸らさないところをみると本当らしい。


「.....妃に溺れて仕事しないのは、無しですよ?」
「分かってる」
「私は、お仕事をちゃんと頑張ってる陛下が
好きなんですからね。」
「うん」

ちゅ
「お嫁さんが見ていてくれるからね。」
「......。...今日、だけですよ?特別に...」
「うんっっ。」

大柄な小犬が尻尾をブンブン振りながら
のしかかってきた。
ちゅ…ちゅ
顔中に口付けの雨が降ってくる。

それがいつのまにか吐息に変わり
部屋を甘く満たし始めた。


あ…あ…へいか…へいか…

ゆうりん…愛してる

……私も…大好きです

ずっと一緒にいようね

はい…ずっとお側に…



そして…
甘い時間は1日中続いた。



* * *
その日、政務室では。
李順がこめかみを押さえていた。

…案の定、陛下がいらっしゃらない。
昨日、結婚休暇などないと言ったのですがね。

嫌な予感がしたんです。
昨日、やたらと早く仕事を終わらせていた。
決済された書類を見ると、どうも3日分くらい
前倒しで処理されてる。

まさか...3日も籠る気ですか?
全くあの方は...
どれだけ夕鈴殿が好きなんだか。

まあ...仕方ないですかね。
あの方のあんなに幸せそうな顔
見たことありませんからね。

こんなこともあろうかと、
急ぎの仕事は入れませんでしたよ。

それにしても...
今からこの調子じゃ、先が思いやられる。
あともう一人、使える人材が欲しい...


李順は深々とため息をついた。



その翌日。
半ば諦めた心持ちで執務室に入ると
ご機嫌な顔で仕事に励んでいる陛下がいた。
驚いた。

「おや、本日も結婚休暇かと思いましたよ」
「何だ?休んでよかったのか?」
「いえ、全く。どうかなさったんですか?」
「我が妃が、仕事を頑張ってる私を好きだと言ってな。
そう言われては、やらないとな。
後で差し入れ届けてくれるそうだ。」
「はいはい、それはよかったですね。
充実した休暇を過ごされたのなら何よりです。
では、早速ですがこちらの案件を–−---」
「なんだ、惚気甲斐のない奴だな...」
「私に惚気てどうするんですか。...全く」

げんなりしながら陛下の惚気をかわす。
全く。想像もできませんでしたよ。
あの方がこんなに変わるとは。
まあ...でも。

夕鈴殿、見事なお手並みですね。
成る程。餌付けとは。
正直なところ、助かりました。
その調子でこれからもお願いしますよ。
----お妃様。


「陛下。次はこの書簡にも目を通しておいてくださいね」
「ええ~~~?」
「ちゃっちゃとやらないと、早く帰れませんよ」
「...わかった。やる。」

幸せそうに仕事をこなす主の姿を見ながら
李順は自分の仕事を始めた。




おしまい
---------------------



**あとがき**

この話はSNSで公開していた
「はじめの一歩」と「本物の夫婦に」という話を
元にしていますが、ブログに移行するにあたり
大幅に書き直しました。
元の話は原型を留めておらず、限りなくオリジナルです。

初夜話もSNS掲載時と大幅に変えました。
SNSでは割と陛下がリードする感じで書きましたが
14巻を見る限り、二人ともかなり初々しい感じだったので
不器用な感じの陛下に変えました。

プラトニック説もある原作の二人ですが
願望としては、やはり一線を越えていて
ほしいなと思います。

甘い言葉で夕鈴を翻弄する狼陛下がお好きな方、
R18と聞いて濃厚な初夜を想像された方にとっては
物足りないかもしれません。
ただ、できるだけ幸せな二人を目指して書きました。
その幸せさが伝わったのなら嬉しいです。


ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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コメント
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dot 2016.03.28 08:06 | 編集
まるねこ様
早速のコメントありがとうございます。
癒されましたか?
であれば、よかったです。

ちなみに、図書館戦争があそこまでかいたのは
そうしないと原作ファンが納得しないからだと
思います。
今回は本当に原作に忠実で、原作の1ファンとして
感涙ものでした。

詳細はメッセージします。♪( ´▽`)
けいdot 2016.03.28 12:56 | 編集
けいさん、こんにちは\(^o^)/

このお話、ずっと楽しみにしてきました*・゜゚・*:.。..。.:・*:.。. .。.:*・゜゚・*《完》を迎えられて!読ませて貰えて!
ほんとうに嬉しいです(#^.^#)

ほのぼのが好きなので、幸せなお話読めたら
リアで笑顔でいようと出来るんですよね♡♡♡

幸せのお裾分け頂ければなぁ どころか
幸せ捥ぎ取りに大好きブログ様をまわっています(*^^*)

タイフーンです(*^^*)dot 2016.03.28 13:05 | 編集
タイフーン様
楽しみにしていてくださり、
ありがとうございます(*^o^*)

嬉しいです。
とにかく、ひたすら、幸せな二人を目指しました。
愛は溢れるほどありますので
是非捥ぎ取って行ってくださいませ♡
けいdot 2016.03.28 20:44 | 編集
こんばんは♪
全然物足りなくないですよぉ~!!
甘甘ご夫婦、大変大変ゴチでしたぁ(*´∀`)
夕鈴の前では可愛くなっちゃう陛下、実にアリだと思いますね!
はぁ~今日は忙しくて残業で、家事で夜も終わっちゃいましたけど、寝る前にホンワカできました(о´∀`о)
良い夢が見れそうです(笑)
昨日は変なグチ入れてしまって、すいませんでした!ただただ書けない~!ってなっていただけなので、放置プレイで大丈夫ですのでm(__)m
ありがとうございました (*^▽^*)
もずくdot 2016.03.28 23:36 | 編集
もずく様
ありがとうございます。

良い夢見られそうですか?
うっかり陛下にのしかかられたりしませんか?
陛下なら望むところだって。そうですか、そうですか。

可愛い陛下、好きですねえ。
というか、格好いい陛下が書けないんですが
どこに行けば書けるんでしょうね....。
うむむむ。

甘々楽しんでいただけたようで嬉しいです。
けいdot 2016.03.29 01:43 | 編集
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dot 2016.05.07 06:22 | 編集
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