2016
02.02

名前

SNSから移動したものです。
もしよろしければ....。

イチャイチャご夫婦です。


【原作よりほんの少し未来】
【本物夫婦設定】


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【名前】


四阿の近くで弟と夕鈴を見かけた。
近づくと、二人で仲好さそうに笑顔で話している。

「義姉上、今日は兄上とお話しをしました。
 兄上ってすごいんですよ~」

「よかったですね...瑛風様。どうすごいんですか?」


え?何?ゆうりん、弟のこと名前で呼んでるの?
あれ?そういえば...


夕鈴の顔が浮かぶ。...陛下、陛下...


..そういえば、僕名前で呼ばれたことない...

そう思った途端、血が逆流した。
何だか見ていたくなくって、その場を足早に通り過ぎた。


その夜、夕鈴は僕にお茶を入れながら話してくれた。


「今日、晏流公とお話したんですよ。
 陛下とお話したって喜んでました。」

「ああ、四阿の近くで見かけたよ。楽しそうだったね。」


ああ、嫌な言い方してしまった。
心がざわつく。


「え?お近くまでいらしてたんですか?
 声かけてくださればよかったのに。
 陛下の話で盛り上がってたんですよ。
 本当に陛下がお好きなんですね~」


夕鈴は心底残念そうに言う。
そしてお茶を渡してくれた。


「うん、ごめんね...」


まさか妬いたなんて言えない。
ありがとうといってお茶を受け取り、一口飲んだ。
ゆうりんの煎れてくれるお茶はいつも優しい味がする。
少し落ち着いた。


「....そういえば、ゆーりん。
 弟のこと名前で呼んでるの?」

「え?瑛風様ですか?あ、はい。」


夕鈴は無邪気にそう答えた。


「晏流公っていう呼び名がお好きじゃないそうなので。
2人でいるときは名前で呼んでほしいって言われました。」


....ふ~ん、二人、のときね...


ため息をつく。
ゆうりん..もしかして君は悪女なの?
名前を呼ぶのって特別なんだよ?
....なんか面白くない。


「じゃあ僕は?」

「はい?」

「僕のことは名前で呼んでくれないの?
 ゆうりんは僕のお嫁さんだよね?」


きゅるんと首を傾けて甘えてみる


「え?(拗ねてる?)
それは..ずっと『陛下』って呼んでましたし...
私庶民なのでなんか恐れ多くて。.....でも」

夕鈴は真っ赤になってうつむいた。


「...でも?」

「本当は...呼びたいんです。名前で」小さな声でいった。

ぶっ。
飲んでいたお茶を吹き出した。
......ゆうりん.....可愛すぎる...


お茶を机に置き、夕鈴を膝に乗せて腕の中に囲う。


「呼んで。名前で。
夕鈴には名前で呼ばれたい。」

絶対、今、尻尾振ってると思う。


 ね、呼んで?


耳元でもう一度お願いする。

「っ!....。....。......さま。」
「ん?」
「れ、黎翔さま...。」


体が熱くなる。
思わずぎゅううっと抱きしめた。
ほんと、君はいつも僕に幸せをくれる。


「うれしいよ。
...もう僕の名前を呼ぶ人は誰もいないから」


夕鈴は目を見開いて僕を見つめた。瞳が揺れてる。
そして決意したようにこぶしを握り締めて言った。


「わ、私が呼びます!何度でも。
黎翔様....大好きです」


どくんっ
心臓が跳ねた。
熱が体の中心に集まる。

.......っ
....ああもうっ。どれだけ煽るんだ、君は。
思わず腰を引いた。

「あんまり...煽るな...」掠れた声が出た

「え?」


夕鈴は何のことだか分からないといったように
きょとんとした目をして僕を見つめた。

分からなくていいけどね。
ゆうりん。やっぱり君は悪女だよ。
だが、君にだったら溺れるのも悪くない。

にっこりほほ笑んで、顎を持ち上げた。
夕鈴は固まったが、構わず口付ける。
隙間から舌を差し入れ、貪るように舌を絡めると
夕鈴から力が抜けた。

唇を離して見つめると、潤んだ瞳で僕を見ている。
口づけした後に見せる顔。
この顔は誰にも見せたくない。
もう一度口付け、夕鈴を抱き上げた。
向かう先は寝所だ。




次の日、夕鈴の体には大量に唇の跡がついていた。
服で隠れないところにまで跡がついていたため
その日は一日中、自室で過ごすはめになったという。


おしまい
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ありがとうございました。
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