2016
04.03

再会

こんにちは

私の住んでいる地域は桜が満開になりました。
先週、写真を取りに行ったのですが未だ一分咲き。
今日はリベンジだとばかりと桜の名所で写真でもと
鼻息荒く一週間待っていたら、あいにくの花曇り。
くううううっ(ノД`)・゜・。

仮想中華国で桜を愛でる風習があるかは分かりませんが
(何せ知識が足りない)桜にちなんだイラストとかなり昔に
書いたお話をUPします。
「兄vs弟 ~勃発~」の元となった晏流公のお話です。

イラストは下書きだけ書いて1年ほど頓挫していたものを
先日書き上げSNSで公開しました。

お話は13巻67話が出たときに浮かんだ妄想です。
書いている途中で70話で夕鈴と晏流公が円満に
顔合わせしてしまったのでお蔵入りに。
でも妄想は自由だ~ということで、イラストと合わせて
こちらで公開します。

もう一つの顔合わせの話。
原作とは違い、完全な妄想ですのでご注意を。
もしご興味があれば
お付き合いいただけると嬉しいです。

【本物夫婦設定】
【妄想】
瑛風は王宮内の庭を歩いていた。
しばらく歩いていると目の前に見事な桜の木があった。
風が吹くたびに大量の花びらが空に舞う。

.
..きれい
夕花も王都のどこかで見てるのかな


立ち止まってそれを眺めた。


* * *

王都で闇商人が捕まった。
なんでも僕を玉座にあげるため
母上が兄上への謀反を企んでいたらしい。

母上が闇商人と結託し謀反に加担していたと聞いたときは目の前が暗くなった。
僕は玉座など望んでいない。
ただ敬愛する兄上の力になりたかった。
そのために苦手なものも克服しようと励んできたのに。

だけど、もう王都に呼ばれることはないのだ。
兄上に会うことも。
何も手につかず自暴自棄になりかけていたときに、王都に呼び戻された。

王都で兄上に対面した。
憧れの兄上だったが、
今は喜びより恐怖のほうが強かった。
処罰を言い渡されるのかと覚悟していたところ
王都で王弟としての教育を受けてほしいとのこと。
正直拍子抜けした。
どういうことだろう...

後で兄上が教えてくれた。
僕が一連の事件に関与していなかったことは
調べがついていたと。
そして僕を王都へ戻す話は妃が望んだことだと。
お妃様は兄弟はいがみ合うのではなく
助け合うべきだと強く主張したそうだ。


暗闇の中で光が差したようだった。


お妃様ってどんな女性(ひと)なんだろう。
蓉州では、王の寵愛をいいことに
やりたい放題の悪女と聞いた。
そして花も恥じらって顔を伏せるほどの
妖艶な美女だそうだ。

そもそも、花も恥じらうほどの妖艶な美女って何?
....だめだ、想像もできない。
兄上は見目麗しいから美女と並ぶと絵になるだろうとは思うけど。


でも...僕は。
妖艶な美女より夕花の方がいい。





王都から来たという彼女と出会ったのは
昨年の晩秋だった。
隠れて剣の稽古をしていて足を滑らせたところを
身を挺して助けてもらったのだ。
年頃の女の人なのに泥だらけになるのも厭わず。

それから僕と彼女は仲良しになった。
忙しそうなのに、話しかけるといつも手を止めて、
にこにこと話を聞いてくれた...
兄上の話をちょっと熱すぎるくらい語っても、
嫌がらずうれしそうに聞いてくれた。
そしていつかきっと兄上に会えるといってくれた。

彼女と話していると温かくて、
まるで春が来たみたいだった。
だから晏流公ではなく、
本当の名前で呼んでほしかった。

彼女だけだ。
名前で呼んでほしいと思ったのは。

だけど...
突然彼女は王都に帰ってしまった。


* * *

どれくらい経ったのだろう。手が冷たくなっていた。
さすがに戻ろうとして振り返ると.....
兄上がいた。


「花見か?」
「はい...。あまりに見事な桜なので。」
「随分長いこと立っていたようだが?」


見られてたんだ...。思わず苦笑する。
そして独り言のように話す。


「蓉州にいた時のことを考えていました。
 忘れられない人がいて...。」


兄上がこちらを見た。


「王都から来た下働きの人で…
笑顔の温かな人でした。
話しているとこちらまで温かくなるような...。
家庭の事情で突然辞めてしまいましたが、
彼女も王都のどこかで桜を眺めているのかと。」


あれ?なんだか兄上が微妙な表情をしている?


「...と、ところで兄上はなぜこの場所に?」
「ん?ああ...仕事が一区切りついたので、
桜が散る前に妃と見に来ようと思ってな。」


そのとき

「陛下」


......?
聞き覚えのある声。
振り向くとそこには夕花がいた。
妃のような格好をしている。


「陛下、お先にいらしてたんですね?
お待たせして申し訳ありません、
あの...お寒くなかったですか。」


兄上は夕花の腰をさらって抱き寄せ、
額に口付けた。
「問題ない。私も今来たところだ。」


夕花の顔が瞬時に真っ赤になった。
頭から湯気が出ているようだ。
そして僕に気付いて驚いた顔をした。
「え?晏流公?」


「ああ、紹介がまだだったな。
瑛風、私の唯一の妃だ。名は夕鈴という」


妃?夕花が?

夕花は兄上からするっと離れて、
僕の方に近づいてきた。
気のせいか、兄上が不満げな顔をしている。


「お久しぶりです。晏流公。
挨拶もせずに突然辞めてしまって申し訳ありませんでした。
実は夕花は仮の名で、本当の名は夕鈴と申します。」

「お妃様だったんですか?」
「あ、はい...一応」
「一応?君はずっと私の妃だろう?」といって兄上が彼女を睨んだ。
「あ、はい....妃です。お屋敷にいたときは違いましたが...」


どうやら本当に妃らしい。
でも、あれ?夕花が妃ということは...


「もしかして私を王都に呼んでくれたのは夕花?」


兄上は言っていた。
僕を王都へ戻す話は妃が望んだことだと....。


夕花は驚いた顔で兄上を見た後、僕のほうを向いた。

「私は何も...。
私は蓉州での晏流公のご様子と私の意見は伝えましたが
最終的にお決めになったのは陛下です。」

そして、ふわっと笑った。

「陛下は頑張っている方をちゃんと見てくれる人なんです。」


ああ...
なんとなくわかる。
兄上が美女ではなく彼女を選んだ理由が。
いつもこうやって兄上のために心を尽くしているんだろう。
この、陽だまりのような笑顔で...。


「夕花...いえお妃様。ありがとうございます。
....私の願いを叶えてくださって...」


夕花をもう独り占めできないのは寂しいけど、
大好きなお二人が幸せならいいや。
だけど悔しいから一つだけいいよね。


「私は桜を堪能したので戻ります。
義姉上、今後ともよろしくお願いします。
私のことは瑛風とお呼びください。」

とにっこり笑ってお願いする。
そう。ささやかな願い。
名前を読んでもらうこと。


義姉上はびっくりしたようだったが
すぐに「はい。喜んで」と笑顔で答えてくれた。


兄上の方からは冷気が流れてきた。
黒い空気が兄の周りを漂い始める。
(うわ..兄上大人げない)
だけど少しだけすっきりしたので
二人に無邪気な笑顔を向け
そのまま戻ることにした。


少し離れてから振り向いてみる。


すると

兄上が義姉上に抱き付いていた。
何だか少し揉めている感じ?
だけど...義姉上が何か言ったのかな。
すぐに笑顔になった。

初めて見る。
...兄上のあんな柔らかい笑顔。
そして夕花の心からのうれしそうな笑顔。
二人とも幸せそうだ。


お幸せに。
瑛風は微笑みながら、その場を後にした。


桜を愛でる二人


おしまい
------------------


※ちなみに瑛風は12巻では自分のこと「私」と呼んでます。
 ただ、陛下と同じで表では「私」で、本来は「僕」なのかなと
 勝手に妄想して書きました。

※イラストの桜はフリー素材を使って加工しました。
 花びらはibis Paintのはなびらを使ってます。
 デジ絵は勉強中ですが近頃は便利です。(しみじみ)

ここまでお付き合いいただき、
ありがとうございました。
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コメント
あのイラストはこのお話に合わせるものだったんですね。
花びら、アイビスにあるんですか?知らなかった…私この前手書きで描いちゃったよ。
私も今日は絵を描いてました。アニメ塗りをしてみました。元々アニメ塗りしない予定で線画を描いたので塗ってからどうかなーと思いましたが。
後でコミュにupします。
お話はけいさんらしいテイストですね。兄弟の話は本誌でも中々出てこないけど、せっかく王都に2人ともいるんだからこんなばったりの場面見てみたいです。
まるねこdot 2016.04.03 21:22 | 編集
まるねこ様

イラストは、先に話が出来ていて、
それに合わせて書いていたんです。

下書きはオリジナルをコピーしてたので
残っていましたが何度も色塗り失敗して
嫌になって放置していたものでした。

桜の写真を撮りに行こうとしたら
天気が悪かったので代わりにイラストを。
ちなみにアイビスのはなびらは
広告見てゲットしました。(^^;)

イラストをブログに移行する際に、
そういえばお話も書いていたことを
思い出して一緒にUPしました。
ブログオリジナルです。

そう、中々兄弟の話出てこないですよね。
夕鈴と会ったりしないのかなと妄想しちゃいます。
陛下がヤキモチ妬いて会せないようにしてるのかも
しれませんが。( *´艸`)


けいdot 2016.04.03 22:35 | 編集
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