2016
02.22

青慎の出仕2

Category: 青慎の出仕
青慎の出仕シリーズの続きをお届けします。
青慎の配属先は政務室です。今日は初日。

よろしければ、続きをどうぞ


【青慎の出仕②】
*******************


配属先に向かう。今日から政務室勤務だ。

政務室に新人が配属されることは滅多にないらしいが
補佐官の柳方淵さんが強く推薦してくれたという。
方淵さん、どんな方なんだろう。

政務室に入り、中に立っていた人に挨拶する。
髪を高い位置で一本に結んだ真面目そうな人だった。

「おはようございます。
本日より政務室に配属されました汀青慎と申します。
よろしくお願いいたします。」

その人は目を見開いて僕の顔をまじまじと見た。
「...?何か?」
「いや、失礼。
柳方淵です。よろしくお願いします。」

と答えてくれた。
この人が方淵さん。

「あ、あの。僕を推薦してくださってありがとうございます。
 ご期待に沿えるよう頑張ります。」

くすっ。隣で笑い声がした。

「彼に合わせて仕事していたら、心を病んでしまうよ。
 新人さん?最初はあまり無理せず、徐々に慣らしていけばいいからね」

にこやかに笑いながら、優雅な雰囲気の人が近づいてきた。

「初めまして。汀青慎です。よろしくお願いいたします。」
「氾水月です。よろしくお願いします」

所作がとても優雅で、いかにも貴族って感じの人だなあと
思いながら挨拶した。
そして水月さんもまじまじと僕の顔を見た。

「あの?僕の顔に何かついてますか?」
「ああ...すまないね。じろじろ見てしまって。
 ある方に似てたから。もしかしてお姉さんいる?」
「いますけど...? 」

水月さんと方淵さんは顔を見合わせた。

「...?」姉さんを知ってる?


その後、方淵さんは政務室の面々に僕を紹介して回った。
官吏の中には方淵さんや水月さんと同じように僕の顔を
まじまじと見る人が数人いた。
いったいなんなんだろう...?

その後方淵さんは仕事の指示をした。
最初は関連部署へのお使いだ。

お使いに行くと顔見知りの官吏が声をかけてきた。

「おはよう、青慎。聞いたよ政務室勤務だって?」
「はい、今日から配属です。お元気そうで何よりです。
 今日はお願いがありまして....実は...」

しばらくの間、話し合う。

「...それじゃよろしくお願いします」
「了解。こちらの方もよろしく頼む。」

こんな感じで各部署を周り、お使いを終わらせる。

「ただいま戻りました」
といって回収した書簡を方淵さんに渡し、伝達事項を伝える。
方淵さんは書簡を確認した後、次の仕事の指示を出す。

あちこち動き回りながらながら仕事を終えていく姿を見て
政務室の面々は思った。この新人は使える...と。


政務室で資料を作成しながら、青慎はふと思った。

....そういえば...

李翔さんってどこの部署の人なんだろう?
確か王宮に勤めているって言ってたよね?
掃除婦を管理するくらいだから上級官吏だと思うんだけど
今まで回った部署にはいなかった。政務室にもいない。

ふと、式典で言葉を賜ったときの陛下の声を思い出す。
恐れ多くて顔をあげることができなかったけれど、
声が李翔さんに似ていた気がする。
そう、冷たい雰囲気をまとった時の....。

まさかね。
自分の想像にあきれる


そのとき


かつ...かつ...かつ...


規則正しい足音が聞こえた。
政務室に緊張が走る。

え...何?
訳が分からなかったけれど、
取りあえず周りに合わせて礼をする


そして


政務室に国王陛下が現れた。
現れたその人を見て思わず息をのむ....



.....李翔さん



つづく
*******************

ありがとうございました。
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