2016
05.15

悪夢

実家の母の様子を見ながら
思いつくままに書きました。
最初、流血シーンがあります。
まるで自分の心情を示すかのような暗さ。
でも最後は明るいです。
書いている内に復活しました。

そして、何故か書いているうちに微エロに。
どうも私の書く陛下は夕鈴好きすぎて
ついつい手を出してしまうようです。

パスはつけませんが若干大人風味。。
だって新婚夫婦ですから…♪( ´▽`)


【本物夫婦】
【流血注意】
【大人風味】
夕鈴と二人で庭園を歩いていると
ザザッ

襲ってくる黒い影。
刺客だ。

毎回、毎回、飽きもせず。
まったく。無粋としか言いようがない。

「夕鈴っ。下がって。」


間髪入れず間合いを詰め

バシュッ

相手の腕を斬った。
崩れる敵を蹴とばし、横から襲ってくる相手を
振り向きざまに薙ぎ払う。
刺客が崩れ落ちた。


「夕鈴、大丈…」


振り返ると
夕鈴は崩れるように倒れていった。
胸には赤い染み。矢が刺さっていた。
それが徐々に広がっていく。


「夕鈴っっ」

慌てて夕鈴に駆け寄ると
腕の中で夕鈴はどんどん冷たくなっていく。

血の気が引いていく。
恐怖で手が震える。



そこから後は何をしたのか覚えていない…
気がつくと血の海の中
一人で立ち尽くしていた。

足元が崩れ
落ちていく感覚。
深い闇の中に
沈んでいく…



* * *

へ、か

-----声がする。

へーか…陛下


誰かが呼んでいる。
鈴のような声…
あれは


…黎翔様…


ゆう…りん、の…声


------目を覚ました。
目の前には夕鈴の顔があり
心配そうに僕を覗き込んでいた。


「ゆう、りん…?」
「どうかなさったんですか?うなされてましたけど。」


夕鈴が僕の頬にそっと手を触れた。
温かい手。
何処にも怪我は無さそうだ。


…夢だったのか。
手を握り、指に口付けた。
ぼふんと夕鈴が赤くなり、
手が更に温かくなった。

いつも通りの反応だ。
ほっとして思わず抱き寄せた。
やっぱり温かい。生きている。


「へい…か?」
「ん。君がいるのを確かめたくて。
しばらくこうしてていい?」
「は…い」


抱きしめるといつもの香りがした。
頬を寄せてそれを確かめる。


「どうかなさったんですか?」
「…夢を、見た。」
「夢?悪い夢ですか?」
「…。」


口に出せなかった。言葉にしたら現実になりそうで。
夕鈴はしばらく心配そうに僕を見つめていたが
やがて思いがけない言葉を口にした。


「悪い夢は言葉に出した方がいいんですよ。
貘が食べますので。」
「。。。貘?」
「はい。悪い夢を食べるといいませんか?」
「確かに」
「だから貘にあげて食べてもらいましょう。」



。。。まさか貘がでてくるとは。

ぶっ。
思わず吹き出した。
これだから敵わない。
暗い気持ちが一気に明るくなる。



獏





肩を震わせていると、
夕鈴は不思議そうな顔をした。
何がそんなに可笑しいのかと言った風だ。


「え?私何か変なことを言いました?」
「いや?やっぱ夕鈴だと思って。」


そう。君は。
いつでも僕を暗がりから連れ出してくれる。
額に唇を寄せた。


「じゃ、貘に食べて貰おうかな。あのね…。」

君が刺客に襲われて倒れる夢を見たんだ。
腕の中で君がどんどん冷たくなって…
----怖かった。



最後は声にならなかった。
夕鈴は黙って話を聞いていたが
やがて背中に手を回し、ポンポンと叩いた。



「その夢は貘にあげちゃいましょう」
「…うん。」
「…だからもう二度と見ませんよ。」
「…うん」
「それに…私はお側にいます。」
「ずっと?」
「はい。ずっと…。一人にしません」
「うんっ」
「それに…例え刺客に襲われたとしても、きっと蘇ってきます。」
「。。。え、蘇る?」
「私、巷では死の淵から蘇った妖怪妃らしいんです。
だからきっと蘇ります」


。。。そこで更に妖怪を出すか。

ぶっ…
吹いた。
これだから君って人は
もう…ほんと
可愛すぎて仕方ない…


肩を震わせていると
「へーか。笑い過ぎ…」夕鈴がむくれた。
「ご、ごめ…だ、だって、妖怪って…くくく」
「も〜〜っ。」


ちゅっ
口付けた。
「ごめん、ごめん。君があまりに可愛い過ぎて。」


そのまま下唇を挟みながら
話しを続けた。


ちゅ
「妖怪なんだ?」
「らしいです。不本意ですが…」


ちゅ…
「うん。妖怪でもいいよ。ここにいて。」
「…はい。」


夕鈴は複雑そうな顔をしている。
そんな夕鈴の上に覆い被さり、
腕の中に閉じ込めた。


「なんだか食べたくなっちゃった。だめ?」
「え?ちょ…ちょっと…ま、待って…」
「待たない。可愛い過ぎる君が悪い。」
「(狼っ)〜〜〜〜っ」


夕鈴がわたわたし始める。
遅いな。君はもう狼の腕の中だ。
そのまま喰らいついた。



* * *
妖怪でも何でもいい
君がここにいるなら


存在を確かめるように
何度も唇を重ねた。


吐息を重ね
身体を重ね
君の温もりを確かめる


「夕鈴…ゆうりん…」
名を呼ぶと

「黎翔様…れいしょうさま…」
君が応える。


手を握ると
応えるように握り返す。


その力強さに
夢や幻でない事を実感する


ちゅ
口付けし、深く繋がった。


「ゆう、りん…大好きだよ…」
「私も、大好き…あ、ああっ…」
「これ?いいの?」
「わ、わから…あ、あ、あっ…やん、や、声、おか、しく…」
「可愛い…もっと、聞か、せて。ここ?」
「や、や、黎翔、さまぁっ…あ、あああっ」


夕鈴が乱れ始めた。
動くたびに
甘い啼き声を出し
絡みついてくる。
求める程
全身で応えてくれる。


ゆうりん…
黎翔さま…


お互いを呼ぶ声と
求め合う身体が溶けあい
一つになる。


「黎翔さまぁ…あああ---っ」
「夕、鈴っ」


夕鈴が仰け反った。
熱い身体。
その身体を強く抱き締め
溢れる程、自分の熱を注ぎこんだ。



実感する。
君が生きている事を。




「ゆうりん…」
ちゅ…
口付けすると

ちゅ…
「んっ…れ、黎翔様」
口付けが返ってくる。


「ずっといてね」
「はい…ずっとお側に…」


何でもいい。
君が此処にいるなら。
それが妖怪であっても。




絡みあうように抱き合い
そのまま眠った。
そして…



貘の効き目があったのだろう。
二度と同じ夢は見なかった。






おしまい
-----------------------


ほのぼの系を書こうとしたら
微エロになってしまいました。
変ですね。(・・?)

貘の話は思い付きです。悪夢を食べることから
急遽使いました。夕鈴なら言いそうですし。

貘についてはwikiを参考にしました。

Wiki(獏)

ちなみに兎の妖怪も調べてみましたが
今回の話には入れられそうになかったので割愛。

何でも飢えた男の前にその身を差し出た兎が
いて、感心した豊穣の神様がその魂を月に
送ったとか…。モンゴルの伝説らしいですが
ちょっと気になります。いつかどこかで
使えるといいなと思います。


ここまでお付き合いくださり
ありがとうございました。
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コメント
復活ですね。とりあえずお母様のことは早期発見でほんとによかったです。
暗い始まりなのに笑いに変えて、更には大人風味に!
けいさんマジックですねー。
私は疲れ果てて今全然書けなくなっちゃってるので少し読み専してます。←だったら土日出かけるな
まるねこdot 2016.05.15 22:42 | 編集
まるねこ様
ありがとうございます。
はい。早めに動けて本当に良かったです。
前半は週の始め(不安なとき)に書き、
中盤は週の中頃(落ち着き始めた頃)に書き、
後半は週末(落ち着いた頃)に書き、
見事に精神状態が表れてますね。(⌒-⌒; )
何かしてないと悪い事ばかり考えそうで。

話は書ける時でいいと思います。
のんびり足跡付けに行きます。
私もあちらではすっかり読み専ですが
ぼちぼちと上げようかな。

ありがとうございました。
けいdot 2016.05.16 06:49 | 編集
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