2016
05.30

こんばんは

今日は別なお話を。
ツイッターで蛍狩りの話が出たのと
息子からもラインで蛍の写真をアップしてる
友達がいたと聞いたので、行ってきました。
蛍狩りに。


近所にトトロに出てきそうな谷戸があり、
蛍が生息していて、近隣住民の
手軽なホタル観賞スポットになってます。

いつもの場所で鑑賞してると、道行くおじさんが
川沿いの方が凄いよというので行ってみました。
蛍、乱舞してました。写真だとこんなレベルですが

20160530062231699.jpeg


実際にはこんなイメージ。(お絵描きソフトで加工)
鑑賞している人の肩に止まったりも。
写真でお伝え出来ないのが残念です。

2016053006215585a.jpeg



儚い光がちょっとした癒しになりました。

そこからのSSとイラスト。
昨年、SNSで公開したものです。
辛い話や切ない話がかけないため、
私の書く話は本物夫婦設定のバカップルが
多いのですがバイト妃の頃を書いてみたくって
書きました。


お話に関しては蛍ネタは結構ありそうなので
もしかしてどなたかが似たような話を
書いているかもしれません。
すみません。被った場合は何卒ご容赦ください。

たわいもない話ですが
よろしければお暇つぶしにどうぞ。



【バイト妃~本物夫婦】


---------------------
「夕鈴、ちょっと今から付き合ってくれる?」
「え?今からですか?」
「うん、庭園の奥の方に蛍がいるんだ」
「...ほたる......ですか?」
「うん、かなり昔の王様が妃のために取り寄せたものが
 いつのまにか生息しているみたいだね。今頃から出始めるんだ」
「それは...見てみたいです」
「じゃ...いこっか?」
「はい...」

陛下に連れられて外に出た。
じめじめしてて空気が重い。
え~こんな日に蛍がいるの?

「夕鈴...足元気を付けてね」
「は...い」
「こっちだよ」
「......わ...あ」

はかなげな黄色い光が飛んでいた。
最初は一つだった光が一つ二つと増えていく。
いつの間にか黄色い光が乱舞していた。

「きれい....」
「うん。夕鈴と一緒に見たかったんだ」

ふわっと笑って陛下が言う。

...この人は。
バイト相手に何をそんな嬉しそうに....。
でもそれを嬉しいと思う自分がいる。

ふと一匹の蛍が肩にとまった。

「夕鈴...肩についている」
「あ...陛下にも」

手の平に乗せてみると黒い細長い虫がいた。
昼間に見つけても気づかないだろう。
初めて見たけど蛍って...


「...意外と地味な虫ですね」
「…そうだね」


しばらくすると手の中で光りはじめた。


「あ、光った」
「こっちもだ」
陛下の手の中でも光りだす。

片方が光ると
もう片方も光を返す。
お互いの手の中で呼応する二つの光。

そのうち二つの光は近づいていき
寄り添ったまま二人から離れていった。



蛍2




しばらくの間、二人とも無言でそれを眺めていた。
どちらからともなく手を繋ぐ。



「蛍が光るのは互いの伴侶を見つけるためだと
 聞いたことがある。」

「...じゃあ、あの蛍は」

「うん。見つけたみたいだね。自分の伴侶を。」



そうか...見つけたんだ。
たくさんの光の中からたった一つの光を。
伴侶を見つけられた蛍が羨ましくもある。

私はいつまでここに居られるんだろう。
繋いだ手は温かい。
だけど...いずれ私は下町に戻り
陛下はしかるべき家柄の女性を迎える。
側にいたい人はとても...遠い。
そんなことを考えていたら胸がチクンと痛んだ。



「夕鈴」

「はい?」

「何を考えているの?」

「え?」

「遠い目をしている」

「..蛍...無事伴侶見つけられて良かったなと。
 私は結婚できるのかな...って思っちゃいました。」

もう十分行き遅れですし...と冗談めかして答える。
陛下がこちらを見る。何か言いたげだ。


「ずっと...ここに居ればいいよ....」

「ふふ....ずっとは無理ですよ。バイトですから。
 でも必要とされている間はいますよ。
 まだ借金残ってますしね」


そう。ずっとは無理だ。
陛下が正妃様を迎えた後に
笑っていられる自信がない。
そして、そのときはバイトも
自動的に終了だ

だけど...それまでは...
臨時花嫁が必要とされているうちは
側にいたいと思う。


っくし


くしゃみがでた。
そういえば少し肌寒い。


「寒い?」

「少し..」


ふわっ
抱き上げられた。


「そろそろ戻ろうか」

「....陛下。自分で歩けますが...」

「足元が暗い。
 それにこうしていれば寒くない。」

「~~~~~~っ////」


もう。
バイト相手にどんだけ甘いのこの人は。


「蛍...すごく綺麗でした。」

「僕もあそこまでの乱舞は初めて見たかな。」

「そうなんですか?
 じゃあ..一緒に見れてよかったです」

「うん。だから....また次も見に来ようね。」

「.....」



さすがに応えることはできなかった。
次...。おそらく次はないだろう。
だから...せめてこの景色だけは憶えていたい。
陛下と一緒に見た景色を。




* * *

一年後。


「ゆーりん、ゆーりん。今から蛍見にいこう」

「え?ああ...もうそんな時期なんですね。
 はい。出かける準備しますね。」


一緒に一年前と同じ場所に行く。


「わ...あ。今年も綺麗」

「そうだね」


あれから一年後。
私たちは仮初ではなく本物の夫婦になった。
一年前は思いもしなかった。
この景色をまた一緒に見ることを。
だから今日はちょっとだけ素直になろうかな。


「また見ることができるとは思いませんでした。
 今年も...黎翔様と一緒に見ることができて嬉し....」


最後まで言えなかった。
唇で口を塞がれたからだ。
なんだか今日は濃厚な気がする。


ぷはっ
「だから何ですぐ口をふさいじゃうんですか」

「だって...お嫁さんがあまりに可愛くて。
 このまま押し倒しちゃいたいくらい」

「なっ。ここでは嫌です。蛍見ましょ。蛍」

「ここじゃなきゃいいのか?
 では後ほど心行くまで愛でるとしよう」

「〜〜〜っ(ぎゃっ。狼っっ)」


黎翔様がもう一度抱き寄せ
ちゅ
口付けして微笑んだ。



「僕も嬉しいよ。
一緒に同じ景色を見ることができて。
次も、その次も、ずっと一緒に見ようね」

「はい!」


笑顔で答える。
自分の気持ちを素直に伝えられることが嬉しい。
一緒に年を重ねていけることが嬉しい。


目の前を蛍が飛び交っていた。
互いの伴侶を探して。


飛び交う淡い光の中、
呼応し合う光があった。
二つの光が近づき寄り添う。
相手を見つけたらしい。
なんだか微笑ましい。



「手を…繋いでいいですか?」
「うん」

手を重ねると
黎翔様が指を絡めてきた。
力を込めると
応えるように力強く握り返される。
呼応するやり取り。


顔を上げると
黎翔様の顔が目の前にあった。
優しい目。
目を閉じると唇が重なった。





同じ景色を見よう。
次も、その次も…。

そうして歳を重ねていこう。
黎翔様…貴方と一緒に。




おしまい
---------------------

ここまでお付き合いいただき、
ありがとうございました。



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コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2016.05.31 00:30 | 編集
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dot 2016.05.31 08:04 | 編集
タイフーン様
日参してくださったとは。
ありがとうございます。
コメント嬉しいです(*^o^*)

蛍は5、6月みたいですね。
いつも6月頃に見てたので、少なかったんですが
ちょうどいい時期だったみたいで乱舞してました。
息子のラインに感謝です。
もータイフーン様、ラブラブですねっっ。
どこかの国のご夫婦のようです。ふふふ。(*^^*)
けいdot 2016.05.31 08:25 | 編集
まるねこ様
ありがとうございます。
ツイッターのやり取りから、
この話を思い出しました。
SNSからちょっとだけ変えてます。

やたらと自然豊かなんです。うちの方。(⌒-⌒; )

8月、ちょうど休みとってますよ〜。
なので行きます。
あと、原画展も。(*^o^*)

けいdot 2016.05.31 12:49 | 編集
臨時夫婦からの本物夫婦、いいですね~(*´v`*)
お話も絵も堪能できて、いつも幸せですvV
寝る前の癒し・・・いい夢見られそうです!
かざねdot 2016.05.31 23:03 | 編集
かざね様
コメントありがとうございます。

お返事が遅くなり、すみません。。
いい夢見れましたでしょうか。

こっちでは、割と積極的に挿し絵入れてます。
楽しんでくださると嬉しいです。(^o^)
けいdot 2016.06.01 23:33 | 編集
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