2016
02.22

青慎の出仕4

Category: 青慎の出仕
青慎の出仕シリーズの続きをお届けします。
配属先での初日を終えた青慎に、李順さんが声をかけてきました。
その真意は?

もしよろしければ、続きをどうぞ。



******

【青慎の出仕4】
*******************

「青慎殿。....今、少しお時間いいですか?」

「はい。」

李順さんが僕に?なんの用だろ?

「では...こちらへ」

といって李順さんは、とある一室に僕を招き入れた。

「ここは?」
「王の執務室です。」
「え?」

執務室?何故ここに僕を?
慌てて周りを見ると....陛下はいないらしい。

「ここなら不用意に近づく人がいませんから。
 陛下は休憩中です。」

僕の表情を見て、李順さんがいう。
そして僕の顔をじっと見て微笑む。

「やはり似てますね。」
「....?」
誰と?

「青慎殿。」
「はい。」思わず返事をする。
「あなたに会わせたい人がいます。」
「僕にですか?」
「はい。もうそろそろいらっしゃるでしょう」

.....さっきからなんだろう。意味が分からない。
人払いしてまで僕に会わせたい人って...


そのとき
遠くから声が聞こえてきた。


「陛下!抱きかかえてもらわなくても、
ちゃんと自分で歩けます!」

....え?この声...

「妃よ。私は君と片時も離れていたくない。
これくらいは許してくれ。」

これは陛下の声。え?妃?


「....っ!陛下は甘すぎますっ!」


!この声は....
忘れるはずがない。そして確信する。

姉さんの声だ。

そして....
姉を抱きかかえた国王陛下が部屋に現れた。




青慎の出仕4 陛下登場







思わず声が出た。「姉さん!」

陛下に抱きかかえられた姉は
掃除婦ではなく妃のような格好をしていた。

陛下の妃は正妃一人だけ
...ということは

姉さんが正妃様?


「青慎!」

姉さんが陛下から飛び降り、駆け寄ってきて、
僕を抱きしめた。


「随分大きくなって。
 ずっと会いたかった....。
 連絡できなくって、ごめん。うっ..うっ...」

姉さんはボロボロ涙を流し最後は声にならなかった。

「青慎...。青慎...」

僕を抱きしめながらボロボロ泣く。

でも....ああ......やっぱり、姉さんだ。
すごく綺麗になったけど中身は変わっていない。

姉さんが泣き止んだ頃

「.........そろそろいいか?」陛下が声をかける。


「あ、はい」
姉さんを離す。

「改めて紹介しよう。夕鈴は私の妃だ。唯一の。
そしてこの国の正妃でもある。
......黙っていてすまなかった。」

陛下の言葉に、その場にいた全員が目を見開いた。

「そ、そ、そんな...恐れ多いことです。」

慌てて応える。

「僕は姉さんが幸せでいるなら十分です。
それがわかったので安心しました。」

それを聞いた姉さんがまた抱き付いて、
ボロボロ涙をこぼし始めた。

...姉さん....感極まりすぎ...

ふと陛下を見ると...うわっ。
なんだか捨てられた子犬みたいな顔してる。
苦笑いする。

姉さんに目を戻すと
姉さんの頭が自分より低い位置にあることに気づいた。
そうか...
いつの間にか姉さんの背を超えていたんだ。
2年も会っていないんだから....。

そうだよ....
2年も音信不通だったんだから。
.さすがに理由は知りたい。


「.....どういうことなのか、
教えていただけないでしょうか?
姉さんが正妃様と言われても、正直信じられません。
姉さんは庶民です。
それに以前、王宮の掃除婦だと聞いていました。
なぜ掃除婦が正妃に?
それにどうして2年も音信不通だったのでしょうか」

「「それは...」」

姉さんと陛下が同時に声を出した。

「それは私から説明いたします。
 その代り理由を聞いたら」

 李順さんが僕をみつめてにっこり笑った。

「私の言うことを聞いていただきます」




つづく
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